鼻整形のカウンセリングで、
「鼻中隔延長をしたいです」
というご相談をいただくことがあります。
SNSやインターネットでも頻繁に目にする術式ですので、鼻整形=鼻中隔延長というイメージを持たれている方も少なくありません。
では、鼻中隔延長を行えば理想の鼻になるのでしょうか。
答えは「必ずしもそうではありません」です。
鼻中隔延長とは
鼻中隔延長とは、鼻の中央にある鼻中隔軟骨を延長し、鼻先の位置や向きを調整する手術です。
主に、
- 鼻先を下げたい
- 鼻先を前に出したい
- 短い鼻を改善したい
- 鼻柱を整えたい
といった場合に有効な手術です。
鼻先のコントロール性が高く、鼻形成において非常に重要な術式の一つです。
しかし、万能な手術ではありません
時々、
「鼻先を少し整えたいだけなのに鼻中隔延長を勧められた」
という患者さんがいらっしゃいます。
もちろん適応があれば有効な手術ですが、すべての患者さんに必要なわけではありません。
鼻先の形態によっては、
- 鼻尖形成
- 軟骨移植
- 鼻孔縁下降
- 鼻翼縮小
などの組み合わせで改善できることもあります。
大切なのは、どの手術を行うかではなく、どのような変化を目指すかです。
鼻先だけではなく鼻の穴も変化する
鼻中隔延長によって鼻先の位置が変わると、鼻の穴の形や見え方も変化します。
特に大きく下方へ移動させた場合には、
- 鼻柱が目立つ
- 鼻の穴が縦長になり過ぎる
- いわゆる矢印鼻になる
ことがあります。
そのため私は、鼻先だけではなく鼻孔縁や鼻柱とのバランスも同時に評価しています。
修正鼻や唇裂鼻ではさらに注意が必要
修正手術や唇裂鼻では、鼻中隔の状態が一般的な鼻整形とは異なることがあります。
過去の手術によって鼻中隔軟骨が不足していたり、支持構造が弱くなっていたりすることも少なくありません。
また、ルフォー手術などの骨切り術後では、鼻中隔そのものが不安定になっている場合もあります。
このようなケースでは、単純な鼻中隔延長が最善とは限りません。
まずは現在の構造を正確に評価し、安全かつ長期的に安定する方法を考えることが重要です。
私が大切にしていること
私は手術方法から考えるのではなく、
「なぜその変形が起きているのか」
「患者さんは何に悩んでいるのか」
を評価することから始めます。
鼻中隔延長は非常に有用な術式ですが、あくまでも目的を達成するための手段の一つです。
術式ありきではなく、その方にとって本当に必要な治療を選択することが大切だと考えています。
最後に
鼻中隔延長は鼻形成において重要な手術ですが、万能な手術ではありません。
理想的な結果を得るためには、鼻先だけでなく、鼻の穴、鼻柱、皮膚の状態、そして内部構造まで含めて評価する必要があります。
私は一人ひとりの状態に合わせて、最適な方法を一緒に考えていきたいと思っています。
よくあるご質問
Q. 鼻中隔延長をすれば必ず理想の鼻になりますか?
A. 必ずしもそうではありません。鼻の形や皮膚の厚み、顔全体とのバランスによって適した治療は異なります。
Q. 鼻中隔延長が必要ないケースもありますか?
A. はい。術前の状態や目指している理想によりますが、鼻尖形成や軟骨移植のみで十分な改善が得られる場合もあります。またコルメラストラット法でも対応可能な場合もあります。
Q. 鼻中隔延長のリスクはありますか?
A. 鼻先の硬さや変形、曲がりなどのリスクがあるため、適応を慎重に判断することが重要です。
Q. 鼻中隔軟骨が少ない場合はどうなりますか?
A. 鼻中隔軟骨自体がこれまでの手術や病気で安定していない場合は、肋軟骨などを利用して再建します。これまでも多くの患者さんで同様の手技を行ってきています。
関連コラム
関連症例
著者・監修
勝部 元紀
形成外科専門医・指導医
美容外科専門医(JSAPS)
医学博士(京都大学)
京都大学形成外科にて、口唇口蓋裂や顎顔面領域の診療・研究に従事してきました。
美容外科では鼻形成を専門とし、初回手術から他院修正、唇裂鼻まで幅広く診療しています。
治療に関するご相談
鼻整形や唇裂鼻治療、美容外科治療に関するご相談を承っております。
治療について気になることやご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。













コメント