他院で8回の鼻手術を受けられ、今回が9回目の修正手術となった患者さんです。
繰り返しの手術によって鼻先には強い瘢痕が形成され、硬く厚みのある団子鼻となっていました。また、鼻筋の曲がり(斜鼻)や中顔面の陥凹感も認められました。
今回は鼻中隔の再建を中心に、斜鼻修正、隆鼻術、貴族手術を組み合わせることで、鼻だけでなく顔全体のバランス改善を目指しました。
- 繰り返しの手術で傷んだ鼻中隔を再建
- 強い瘢痕による硬い団子鼻を改善
- 骨切り術による斜鼻修正
- 自家組織のみを用いた隆鼻術
- 貴族手術による中顔面の立体感改善
- 鼻単独ではなく顔全体の調和を重視したデザイン
術前のお悩み、診察所見





患者さんはこれまでに8回の鼻手術を受けられていました。
術前には鼻先の厚みや丸みが強く、いわゆる団子鼻の印象が残っていました。また、何度も手術を受けた影響で鼻先は硬く、瘢痕による拘縮も認められました。
さらに鼻筋には左右差を伴う曲がりがあり、鼻全体の軸が不安定な状態でした。
診察では鼻そのものだけでなく、お顔全体のバランスも評価しました。その結果、中顔面の陥凹感が鼻の印象を強調していると考えられました。
変形の原因
これまでの繰り返された手術により、鼻先には強い瘢痕が形成され、硬く厚みのある団子鼻となっていました。また、斜鼻や鼻中隔の変形、中顔面の陥凹も認められました。

修正手術を繰り返した鼻では、瘢痕組織の増加によって皮膚や軟部組織が硬くなり、鼻先の厚みや丸みが目立つようになることがあります。
また、過去の手術によって鼻中隔や鼻尖支持機構が弱くなっている場合、鼻の形態が不安定になりやすくなります。
今回の症例では、瘢痕による団子鼻だけでなく、鼻筋の曲がりや中顔面の陥凹感も認められました。
そのため、単純に鼻先を細くするだけでは十分な改善は得られず、鼻全体の構造と顔全体のバランスを同時に整える必要がありました。
手術方針と内容
まずは鼻の土台となる鼻中隔を再建し、安定した支持構造を作ることを最優先としました。
鼻中隔の弯曲を修正したうえで鼻中隔延長を行い、鼻先の位置や向きを整えています。
また、鼻先直上の厚い瘢痕組織や軟部組織に対して適切な処理を行い、団子鼻の改善を図りました。
鼻筋の曲がりに対しては骨切り術を行い、鼻全体の軸を修正しています。
さらに、自家組織のみを用いた隆鼻術によって自然な鼻筋ラインを形成しました。
加えて、中顔面の陥凹感を改善するため貴族手術を併用し、顔全体の立体感やバランスを整えています。
このような症例では肋軟骨をL字型に加工して移植する方法が広く行われています。
しかし本症例では、単純なL字移植では鼻背が過度に高くなる可能性や、鼻尖位置の細かな調整が難しいという問題がありました。
そこで肋軟骨を使用しながらも、Structure Rhinoplastyの考え方を応用して再建を行っています。
① 鼻中隔弯曲の修正・鼻中隔再建
まず曲がっていた鼻中隔を修正し、鼻の土台となる支持構造を再建しました。修正手術では土台が弱くなっていることが多く、安定した鼻を作るためには最も重要な工程の一つです。
② 鼻中隔延長
再建した鼻中隔を利用して鼻中隔延長を行いました。鼻先の位置や向きを整えながら、長期的に安定した鼻尖支持を獲得します。
③ 鼻尖部の瘢痕組織・軟部組織の調整
何度も手術を受けた影響で鼻先には強い瘢痕が形成されていました。厚みの原因となる組織を丁寧に整理し、よりすっきりとした鼻先を目指しました。
④ 骨切り術による斜鼻修正
鼻筋の曲がりを改善するため骨切り術を行いました。鼻骨の位置を調整することで、鼻全体の軸を整えています。
⑤ 自家組織による隆鼻術
人工物は使用せず、自家組織のみを用いて鼻筋の高さとラインを調整しました。顔全体との調和を考慮しながら自然な鼻筋を形成しています。
⑥ 貴族手術による中顔面形成
中顔面の陥凹感を改善するため貴族手術を併用しました。鼻だけでなく顔全体の立体感が向上し、よりバランスの取れた印象を目指しています。
⑦ 全体バランスの微調整
最後に正面・斜位・側面からバランスを確認しながら細かな調整を行い、全体を仕上げました。
手術結果(術後6ヶ月)





術後は、厚みのあった鼻先が改善し、より洗練された印象となりました。
鼻中隔の再建によって鼻尖支持が回復し、骨切り術によって鼻筋の曲がりも改善しています。
また、隆鼻術によって自然な高さとラインが形成され、正面だけでなく斜めから見た際の印象も大きく変化しました。
さらに、中顔面の陥凹感が改善したことで顔全体に立体感が生まれ、より大人らしく上品な印象になったと考えています。
- 瘢痕による硬い団子鼻の改善
- 鼻先の厚みの軽減
- 鼻中隔再建による支持構造の回復
- 斜鼻の改善
- 自然な鼻筋ラインの形成
- 中顔面の陥凹感の改善
- 顔全体の立体感向上
- より女性らしく洗練された印象への変化
術前後比較










術前術後と患者さんの声(動画)
術後を振り返って
修正鼻手術では、単に気になる部分を修正するだけではなく、「どのようなゴールを目指すのか」を患者さんと共有することが非常に重要です。
特に複数回の手術歴がある場合は、鼻先だけ、鼻筋だけといった部分的な修正ではなく、顔全体との調和を考えながら治療方針を決定する必要があります。
今回の症例でも、鼻そのものを細くすることだけを目的とするのではなく、鼻中隔の再建、斜鼻修正、中顔面形成を組み合わせることで、顔全体のバランス改善を目指しました。
鼻整形で大切なのは、単に変化量を追い求めることではなく、その方にとって自然で長く付き合える形を目指すことだと考えています。
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著者・監修
勝部 元紀
形成外科専門医・指導医
美容外科専門医(JSAPS)
医学博士(京都大学)
京都大学形成外科にて、口唇口蓋裂や顎顔面領域の診療・研究に従事してきました。
美容外科では鼻形成を専門とし、初回手術から他院修正、唇裂鼻まで幅広く診療しています。
治療に関するご相談
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治療について気になることやご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。








